本書にも書いてあったけど、お笑い芸人ぺこぱの「否定しないツッコミ」ってのは
現代日本では、最適なコミュニケーションなんだよ。
「昨日ラーメン食べたくて、いつも行くお気に入りのラーメン屋に行ったら休みだったんだよ。
ついてないよ。」
同僚がこのような会話をしてきた時、あなたならなんて返しますか?
1.「バカだな。調べてから行けばよかったのに」
2.「時間のムダだったね。人生にはそんなこともあるから」
3.「そうなんだ、じゃあ今日はそこのラーメン屋で食べようよ」
コミュニケーションの最適解としては、どれも正解ではありません。
最適なのは
「そうなんだ、いつものラーメン屋休みだったんだ」
と、相手の言ったことを復唱するだけです。
たったこれだけ?と思いませんでした?
でもこの言葉で同僚からの信頼感は一気に上がります。
最近では良好なコミュニケーションを取るために、「褒める」、「肯定する」が当たり前になっています。
でも褒めるって意外と難しい。
褒めることで怒らせてしまうこともありますからね。
本書ではもっと簡単な「否定しない」ことで良好なコミュニケーションを取れる方法を紹介してくれています。
「否定しない」って簡単じゃん。オレはやってないよ。
そう言う人は多いと思います。
でも本書を読めば、「あれ?オレやっちゃっていたかも・・・」
と考えを改めることになるかもしれませんよ。
否定しないってことは結構奥が深かった・・・
目次
否定しないことによる効果
否定をしないことの最大のメリットは、「心理的安全性」が確保されることです。
心理的安全性とは、どんなことを言っても、行動しても、否定や拒絶をされる心配がない状態です。
ビック企業のGoogleさんも、「生産性の高い組織、チームには心理的安全性がある」と研究結果を発表しています。
恋愛で考えてみましょう。
初対面の時は何を話ししたら良いのかな?とドキドキしています。
でも時間が経って、自分の話すことにことごとく笑ってくれたら、この人なんでも笑ってくれる。
と、安心した気持ちになりませんか。
でも反対に、何を言っても無反応。しかも笑ってくれないとなると
あれ?オレ何か悪いことしたかな?印象悪いのかな?と不安になりませんか。
相手から拒否されない、ブロックされていないってことは、とてつもない安心感に繋がるってことです。
だからあなたが否定しない習慣を身につけると・・・
・ 人から好かれやすくなり、嫌われにくくなる。
・ 忌憚のない意見や会話ができるようになる。
・ 相手の自己肯定感を上げることができる。
・ 部下や後輩が成長しやすくなる。
・ 人間関係のトラブルが減る。
こんなメリットがたくさんあります。
私は一番上の「人から好かれやすくなり、嫌われにくくなる」になりたい。
そう思ってこの本を手に取りました。
「話を聞いていない」も否定になる
私の上司の嫌な癖があります。
真剣に相談しているときでも、必ず目線がパソコンに向かっていることです。
目を合わせず、手を止めず、「うん・・・」と歯切れの悪い返事をする。
そしてたまに、「え?なんて?」と聞き返す。
しゃべっていて正直がっかりします。
これも実は「否定をしている」んです。
否定は、「でも・・・」「だって・・・」とか言う人のことだと思っていませんか?
次のこんなことも否定に入るんです。
・ 目線を合わせない
・ 話を聞いてくれない
・ 別のことをしながら話を聞く
・ 話の途中で会話を遮って、自分がしゃべる
・ 話を真剣に受け止めない
言葉で否定していなくても、空返事をすることも否定に含まれます。
男性のみなさん、よくパートナーに怒られていませんか?
私の話を聞いていないって。
振り返ってみると、否定をしているからってこと多いですよ。
真剣に話を聞いてあげるだけで、信頼感はグッと大きくなりますよ。
その他にも「正論を言う」ってのも否定になります。
正しいことを言うだけでも、相手からすれば否定になるそうです。
知らない間に否定しちゃってたわ・・・
否定しないを実践する方法
否定をしないために心掛けることは「相手の立場に立って考えること」です。
・ これ言われたら腹立たしいな
・ これは事実なんだけど、そのまま伝えると悲しい気持ちになるよな
・ こういう話の聞き方されると、オレも嫌だよな
こんな風に考えてあげると、否定しない習慣が身につくし、人間関係も良好になります。
相手が間違っているからと言って、正論で論破しても、まったくいい関係は築けないってことです。
本書には第3章に「否定しない技術」を10個ほど紹介しています。
その中でも使えそうなのを2つ紹介します。
否定しないと言うことは、相手に気持ちよくなってもらうことが大切です。
髪を切ってきた人に対して
「前の髪の方が良かった」なんて言ったら否定ですよね。
その場合はまず事実を伝えてから、プラスの感情を言いましょう。
「髪切ったんだ。(事実)すごく似合っていると思うよ(プラスの感情)」
まず事実を伝えることがミソです。
「プレゼン頑張ったみたいだね。頑張りが認められてオレも嬉しいよ」
みたいな感じですね。
切った髪が似合ってなくて、否定しそうになったら「事実だけを伝えればいい」です。
「髪切ったんだ。」
これだけでも相手が「そうなんです。すごい切りすぎて失敗したかなーって思ってて」
と話が繋がることもあります。
感情が乗らない場合は、事実だけを伝えましょう。
タモリさんも言ってますよね。
「髪切った?」って。
その後言ってないですもんね。
後輩が悩んでいて相談をしてきたとします。
この前、得意先の人との約束をすっかり忘れてて、アポイントをすっぽかしてしまったんです。
こんな時に使えるのが、復唱です。
相談を受けたときって、下手に「いいアドバイスをしないと」と考えてしませんか?
アドバイスなんて、求められてもするもんじゃないと先人は言ったもんです。
そんな時は
「得意先の人とのアポイントをすっぽかしてしまったんだね」
と復唱しましょう。
これだけで、相手は自分の話を聞いてくれていると思えるし、その後に得意先がこんな怒ってて・・・
と話を続けてくれます。
下手にアドバイスするよりも、印象が良くなる不思議。
否定せずに話を聞くってすごい効果があるってことですね。
冒頭のラーメンの話もそうですね。
下手に自分の意見を言うよりも、復唱して確認する。
これだけで人間関係って上手くいきますよ!
否定してくる人への対処法
自分が否定をしていなくても、相手が否定をしてくるってパターンもありますよね。
その時の対処法について紹介します。
対処法は、「ネガティブな言葉、全てを受け取らない」です。
否定的な言葉「罵倒」や「叱責」の言葉は流して、
自分での気付きや、役立ちそうなことだけを受け止めるようにしましょう。
サッカー日本代表でFWとして、歴代3位の50ゴールを決めた岡崎慎司選手は、この手の天才でした。
足が遅く、入団した清水エスパルスでは8人のFWのうち8番目。
ポジション変更も提案されていました。
が、足が遅いなら動き出しを早くすれば先にボールに触れると考えて
先に動く、1〜2歩目のスピードをあげるといった取り組みをしてから、
あれよあれよと五輪代表、日本代表、3大会連続W杯出場、プレミアリーグ優勝と駆け上がっていきましたとさ。
これも岡崎選手が「足が遅い」というネガティブな言葉だけを受け取らず、
その代わりに何をすれば先に行けるかと考えた結果です。
世の中、どこに行っても否定してくる人、ネガティブな言葉しか言わない人はいます。
そんな人にいちいち心を病んでいたら勿体無い。
自身の学びに変えて、さっさとその環境から抜け出してやりましょう。
長年のエスパルスファンの私からして、
岡ちゃんは真の努力の天才です。憧れです。神です。
まとめ:自分の言いたいことよりも、相手の話をしっかり受け止めることが大事
人との距離感を大事にしたい人にとって、本書はとても参考になると思います。
AIが発達してもコミュニケーションは無くなりません。
コミュニケションというと、「どのようにしゃべろうか?」と考えてしまいますが、
大事なのは、話の受け取り方。聞き方です。
どうしても歳をとっていくと、経験してきたことから、正論を言いたくなるし
自分の意見を言いたくなります。そして褒めて欲しいと思ってしまうんです。
でも真に好かれる人は、相手の立場に立って、話を聞いて、聞いた言葉を復唱して、
人に好かれて、潤滑なコミュニケーションを取る方法として本書では
第5章に具体的なコミュニケーション術が書かれています。
・ アイコンタクトのタイミング
・ 提案をする場合には
・ 強い意見を伝える場合
など
人間関係をより良く進めるためのコミュニケーション術も参考になると思います。
コミュニケーションは上手い人は、自分の意見をしゃべっていない。
相手の話を上手く聞いている、聞き上手だってことは再確認できました。
最後までご覧いただきありがとうございました。ペコッ。